所長挨拶
基盤技術と地域社会との社会的共創から
価値あるイノベーション創生を目指す
本研究所は、1996年(平成8年)に産学官連携事業の強化と学内の研究活性化を目的として工学部内に設置された工業技術研究所を前身としており、2009年(平成21年)度の文部科学省「戦略的研究基盤形成支援事業」に採択されたことを機に、2010年(平成22年)から次世代基盤技術研究所として発展的に改組されました。
大学が持つシーズを活用するには、地域企業が抱えるニーズを結ぶことが最も重要であり、広島キャンパスにおけるその役割を本研究所が担っております。そのため、地域企業並びに各種研究機関との連携窓口として機能する「社会連携センター」と、コア研究を推進する7つの「研究センター」を構成しております。なお、各研究センターは、次世代の社会ニーズを意識した新設や名称変更等を発展的に繰り返しながら、地域企業や各種研究機関との連携を基本として研究計画を策定し、その計画を具現化するために参画した教員によりチームを構成し、開発研究を実践しております。
一方、近畿大学工学部では、この地域の企業並びに公設機関との連携を充実させるため「近畿大学工学部産学官連携推進協力会」を2002年10月より運営しております。2024年7月には東広島市の市制施行50周年を記念して特別講演会を開催し盛況を頂きました。協力会会員の皆様には、研究開発事業の趣旨をご理解いただき、共同研究の推進に関して多大なるご支援を賜っており、ここに改めて心より感謝とお礼を申しあげます。
他方、近年、近畿大学は、多くの自治体と包括連携協定を締結し、様々な形での協力体制を構築しております。工学部が位置している広島県については、2021年に広島県府中市、2022年に広島県東広島市と包括連携協定を締結しております。次世代基盤技術研究所では、これら2つの自治体を中心に、工学の「ものづくり」の観点から地域発展、産業振興に寄与できる活動に着手しており、見える形での成果も出始めています。
これからも地域社会と連携して、次世代の基盤技術の研究開発を実践することにより、選ばれる教育研究機関として、持続可能な社会の実現に少しでも貢献したいと考えております。今後とも、地域の皆様からのお力添えを賜りますよう、よろしくお願い申しあげます。
- 片岡 隆之
- TAKAYUKI KATAOKA
- 近畿大学 次世代基盤技術研究所 所長