地域課題

CHALLENGE

esports

東広島市と近畿大学の共創によって生まれるesports分野と地域の活性化

  • プロジェクト代表者:
    近畿大学情報学部情報学科・講師 山元 翔
  • 東広島市担当部署:
    政策推進監、DX推進監

近年esportsの市場規模は増大しており、さまざまな経済効果がもたらされることから、経済産業省もその促進に取り組んでいる(*1)。また、東広島市も、esportsによる地域活性化の取り組みについて、東広島市に立地するesports企業であるヤルキマントッキーズ株式会社との連携を踏まえ検討している(*2)。

本事業は東広島市の取り組みを、近畿大学との連携により促進させるために、主に学生と連携することによるesportsイベントを通じた共生社会、地域活性化の実現に取り組む。また、教員と連携することによるAIを用いたesports人材の育成にも取り組む。高屋町という地方の小さなエリア内にプロesportsチームを擁する企業と、研究者と学生を擁する大学の情報学科が存在するという恵まれた環境を活かしesports人材の育成に取り組むことで、esportsへの関心が高い理系の若年層に大学及び本市の魅力を訴求する。また、人材育成によりesportsに関わる人材の裾野を広げることで、先に述べた地域活性化の取組みの促進に繋げる。これらは経済産業省と日本eスポーツ連合の連携においても柱となる項目であり地域課題の解決にとどまらない貢献につながる。

前者では、近畿大学東大阪キャンパスに存在するesports Arenaというesportsのための施設と東広島市をバーチャル空間によって連結した、地域を横断したesportsイベントの開催を試みる。ここにはイベントの開催に慣れた本学esportsサークルの学生との連携を検討している。また、イベントは一過性のものにならないよう、手続きをマニュアル化しておき、今後もそれに沿って開催可能になる持続可能性を視野に入れた取り組みを想定している。

後者では、プロ選手に必要な才能の定義と、AIを駆使したesportsプレーヤーの育成を試みる。日本のesportsプレーヤーの育成においてしばしば問題となるのは、育成者が少ないことである。近畿大学情報学研究所(*3)では、ICT教育部門の1プロジェクトとして、申請者が筆頭となって、esportsプレーヤーのコーチングAIを設計・開発に取り組んでいる(*4)。また、esportsを実際にプロとして行なっている方々から、esportsに要する様々なスキルを明らかにすることは、esports選手の育成や、前述のAI構築に有用である。

このように、すでに行われている取り組みに近畿大学のesports関連施設や団体が関与することで、東広島市のesportsによる地域活性化への取り組みを一層加速させることが、本事業の目的である。

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備考

農業DX

ICT・RTの農林水産業への活用
ー水利施設の点検・管理へのドローンの応用ー

  • プロジェクト代表者:
    近畿大学工学部ロボティクス学科・講師 筑紫彰太
  • 東広島市担当部署:
    政策推進監、農林整備課

本プロジェクトの目的は、農業水利用施設の自動点検に向けたドローンの構築ならびに適用可能性評価である。東広島市には、梅雨前線などが活発化する出水時期に備え、状況把握が必要な多くの溜め池などの農業水利用施設が存在する。現在は、人手による手動点検での状況把握が行われているものの、人手不足、農業水利用施設の数の多さから全てを適切に把握しきれていない課題がある。また、降雨による土砂崩落などの被害が生じた場合、目視による状況把握、定点カメラの設置・観察が行われており安全性に課題がある。そこで、本プロジェクトでは、農業水利用施設の自動点検に向けたドローンの構築による効率化・省人化、安全化よって地域課題の解決を目指す。また、ドローンを用いることで、どのような環境で、どのくらいの精度で使用できるかどうかの適用可能性を評価する。

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メタバース

メタバースを活用した
新たな教育支援プロジェクト

  • プロジェクト代表者:
    近畿大学工学部情報学科・教授 片岡隆之
  • 東広島市担当部署:
    政策推進監、DX推進監

現在、東広島市が提供するサービスにおいて、身体的な理由、交通事情等から、移動や対面でのコミュニケーションが難しい状況等における、デジタル技術の活用による課題解決について取り組んでいるところである。様々な手段の検討を進める中で、デジタル上でのコミュニケーションにおいて優位性を持つとされているメタバースの活用についての研究も必要であると考えられる。

例えば教育現場において、本市には児童生徒数の少ない小規模な学校が多く(*1)、メタバースを活用することで集団での学びや、交流機会の創出にもつながると考えられる。

対面でコミュニケーションをとることが苦手な児童生徒の存在をふまえ、メタバースを活用した授業形態を教育現場に導入することが出来れば、多くの人に充実した教育の機会を提供することができる可能性がある。

また、メタバースでは、危険な実験や滅多に経験できないことを仮想空間上で疑似体験できる体験学習が出来るため、学校では安全性の面から実施できなかったことを学べる機会が増えるなど、多様で効果的な学習機会の提供にも大きく貢献すると考える。

将来的に市が提供する様々な市民サービスへの技術の展開を目指し、まずはオープンな市民講座等において、身体的理由から現地参加できない市民向けのメタバースコンテンツについても検討する。

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備考

まちづくり

福富町における廃校小学校の空間的価値を活かしたリノベーションによる循環経済の具現化

  • プロジェクト代表者:
    近畿大学工学部建築学科・准教授 谷川大輔
  • 東広島市担当部署:
    政策推進監

福富町は、東広島市の北部に位置する中山間地域であり、自然が豊かで、福富ダムなど観光スポットも多くあり、東広島市内外からの観光客にも人気の地域である。産業の中心は農業であり、稲作によって美しい景観が保たれている。また移住の希望も多く、自然を活かした新しい産業も起こっている。

しかし福富町は、東広島市9町の中でも最も人口が少なく、減少傾向も続いており、また高齢化率も高い。地域の産業である農業も後継者が少ないなど、持続的な産業の継続が困難な状況である。また住民生活においても、中心街は既に衰退し、公立小学校は統廃合され、また公共交通機関であるバスのルートも廃止されると言ったような、持続可能な生活基盤が失われつつある。このような状況から福富地域は、地域内での生活及び産業活動の維持成長が困難となりかねない状況である。したがって本研究では、福富町の廃校となった竹仁小学校の空間的価値を建築意匠学的に明らかにした上で、地域の魅力を再発見し、場所性や地域性を付与した建物のリノベーションの提案を行うことで、新たな価値の創出につなげる持続可能な地域づくり、つまりヒト・モノ・コトが動く活気ある社会をつくる循環経済(サーキュラーエコノミー)の具現化を目指すものである。

本研究は近畿大学工学部が地域住民と共に検討を進め、東広島市及び生活デザイン・工学研究所(東広島市・マツダ・博報堂)と連携をして、産学官民が共同で地域づくりを行うものである。また本研究は、東広島市の『第5次総合計画』及び東広島市の都市計画『東広島市スマートシティ構想』及び『東広島市環境先進都市ビジョン・S-TOWNプロジェクト』、生活デザイン・工学研究所の『福富地域サーキュラーエコノミー具現化構想について』2022.12.19に基づいて研究を進め、東広島市の目指す循環経済(サーキュラーエコノミー)の具現化に貢献しようとするものである。

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若者を中心とした
JR西高屋駅周辺のまちづくり

  • プロジェクト代表者:
    近畿大学工学部建築学科・教授 市川尚紀
  • 東広島市担当部署:
    高屋出張所、生涯学習課、営繕課

西高屋という地域には多くの小、中、高校が点在しているだけでなく、近畿大学附属中高と県立広島中高の生徒の多くは電車で通学しており、さらに近畿大学工学部には約2,200人の学生が通っているため、西高屋駅は農村地域の小さな駅でありながら、特定の時間帯には常設の改札で対応できないほどの利用者がいる。にもかかわらず、JR西高屋駅周辺の賑わいは失われ、駅前通りは空き店舗が目立ち、駅は単なる通過点として利用されているのが現状である。この度のJR西高屋駅整備工事をきっかけに、利用者の大半を占める若者を主役としたまちづくりを仕掛けることで、小中高生と大学生、さらに地域住民と学校がつながり、産官学民協同で西高屋というまちを盛り上げていく起爆剤とする。

具体的には、「西高屋駅再開発」「駅前通りの再デザイン」「大学と地域の拠点創出」の3つのプロジェクトを並行して進めていく。

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