私立大学戦略的研究基盤形成支援事業

プロジェクト研究成果発表会 平成25年9月5日(木)開催

工学部キャンパス内において、文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業「地域連携による次世代自動車技術に関する研究」プロジェクト成果発表会を地域の企業、団体、行政の方々を対象に開催しました。当日は、学外から82名、学内19名、合計101名の参加がありました。また、報告会の後、次世代基盤技術研究所見学を行いました。

基調講演

「インホイールモータが自動車にもたらすもの」

トヨタ自動車株式会社 第1シャシー開発部シャシー先行開発室長
村田智史 氏

基調講演

【要旨】

電気自動車が広がりを見せる中でインホイールモータ(IWM)が注目されている。IWMは、従来のエンジン自動車と比べ、各車輪の個別制御、舵角の拡大、エネルギー効率の向上、乗員空間の拡大などが期待できる。サスペンションの下にモータを配置することにより、「走る」、「曲がる」、「止まる」、「乗り心地」という車両運動性能の様々な場面でメリットをもたらす。しかし、IWMは電気駆動を前提としており、安価な電気動力技術の一般化はますます重要である。四輪IWMの量産車は当分先の話になるだろうが、まずは二つのIWMから始まる物語の再開を期待してやまない。

研究成果報告

1. 戦略的研究プロジェクトによる地域活性化への貢献

工学部 ロボティクス学科 教授 竹原 伸

研究者写真

【要旨】

本プロジェクトは、地域産業の活性化、自動車技術に関する学の研究拠点形成を目的として、地域企業と連携しながら、①安全・環境・利便性を向上するエレクトロニクス技術の研究、②環境対応型新材料・新加工技術の研究、③省エネルギー化に貢献する流体工学応用技術の研究を行っている。広島地域には自動車関連産業の集積が存在しており、本プロジェクトを通じて地域企業との連携も進んできている。

2. 座席開発のための座席振動評価方法の最新の国際規格(ISO)の動向

近畿大学総合社会学部 総合社会学科 教授 前田 節雄

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【要旨】

車の乗り心地評価にはシート特性が大きく影響すると考える。従来のISO10326-1によるシート評価方法では実験室実験と実車では同じ結果が得られないという問題があった。今回、実車の座席上での12軸振動計測評価を行い、実験室実験結果と実車によるシート振動計測結果から、問題点を明らかにし、新しいシート評価方法の確認を行った。得られた新しい評価方法は今後のISO 10326-1やISO 2631-1の改訂に向けて提案していく予定である。

3. 外観検査の自動化技術

工学部 情報学科 教授 田中 一基

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【要旨】

自動車部品であるメータ文字盤の外観検査の自動化を地元メーカーからの受託研究として行った。異物の検出のためラインセンサカメラを用いた走査式画像入力システムを試作し、位相限定相関法に基づく画像の位置ズレ修正法およびマスター画像との照合法を開発した。今後は、異物以外の欠陥検出アルゴリズム開発に取り組む。

4. 渦溝ツールを用いた摩擦攪拌点接合時のキーホール消失技術

工学部 機械工学科 准教授 生田 明彦

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【要旨】

摩擦撹拌接合及び摩擦撹拌点接合においては、加工後にツールを押し付けた穴(キーホール)が発生するが、応力集中部や腐食の影響が懸念される場合、これを消失させる必要がある。このため、渦状の溝を有するツールでキーホールを埋め戻し消失させる接合プロセスの特徴及び条件を明らかにした。

5. レーザ積層造形技術の開発

工学部 ロボティクス学科 教授 京極 秀樹

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【要旨】

2012年に米国オバマ大統領が積層造形技術による製造業の活性化に注力するという発表以来、3Dプリンタが大きなブームとなっている。経済産業省の地域新生コンソーシアム事業で開発したレーザ積層造形装置により、三次元積層造形体を作製できたが、レーザが低出力のため緻密な造形は難しいことが分かった。今後、装置の性能向上、ソフトウエアの開発、粉末特性の研究を行っていく。

6. 横運動する自動車の空気力特性

工学部 機械工学科 教授 角田 勝

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【要旨】

風洞実験装置とAhmedモデルを用いて、定常風下での予備的考察、変動風遭遇時の空気力特性をもとに、横運動する自動車の空気力特性を研究した。定常風では揺角(風向と車の進行方向がなす角度)が大きくなるほど抗力、横力、揚力とも大きくなるが、横運動時には抗力は揺角の縮小時に大きな値を示し、揚力と横力への影響は比較的小さいことが分かった。

次世代基盤技術研究所見学会

発表会終了後は、G館及び次世代基盤技術研究所に場所を移し、ご参加の皆様に本プロジェクトに係る研究装置・設備を見学いただくとともに、質疑応答や意見交換などを行い研究者と交流していただきました。

研究者写真
研究者写真
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