私立大学戦略的研究基盤形成支援事業

プロジェクト研究成果発表会 平成24年8月28日(火)開催

工学部キャンパス内において、文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業「地域連携による次世代自動車技術に関する研究」プロジェクト成果発表会を地域の企業、大学、行政、産業振興団体を対象に開催しました。当日は、学外から60名、学内41名、合計101名の参加がありました。また、報告会の後、次世代基盤技術研究所見学ならびに有識者による外部評価ミーティングを行いました。

基調講演

「人と社会からみた自動車技術の変遷と将来」

独立行政法人産業技術総合研究所
ヒューマンライフテクノロジー研究部門 研究部門長
赤松幹之 氏

基調講演

【要旨】

人の移動において、個人の自由意思を発揮させるものとして自動車は大きなイノベーションを起こし人々の生活に取り入れられた。自動車技術はこの100年あまりの間で、その重心を耐久性、移動効率性、デザイン性、安全性、環境親和性へとシフトしてきた。次世代自動車技術も技術的なニーズに対応するだけでなく、人の生活や社会のダイナミズムの中で価値付けられたものでなければならない。若者の自動車離れを憂える前に技術オリエントな思考からの脱皮が求められる。

戦略的研究プロジェクト報告会

1. 戦略的研究プロジェクト概要
研究者写真

工学部 知能機械工学科 教授 竹原 伸 

【要旨】

自動車技術は各種基礎工学技術の集大成であり、広島地域には自動車関連産業の集積が存在している。本プロジェクトは、地域産業の活性化、自動車技術に関する学の研究拠点形成を目的として、地域企業と連携しながら、①安全・環境・利便性を向上するエレクトロニクス技術の研究、②環境対応型新材料・新加工技術の研究、③省エネルギー化に貢献する流体工学応用技術の研究を行っている。

2. ドライビングシミュレータを用いた乗り心地評価に関する研究
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近畿大学総合社会学部 総合社会学科 教授 前田 節雄 

【要旨】

国際標準化機構のISO/TC108/SC4委員会では、全身振動規格ISO 2631-1の 計測・評価・影響評価改訂作業がスタートした。本研究では、ドライビングシミュレータを用いた快適性評価に関する研究によりその問題点を解明し、乗り物の快適性評価に関係するMulti-Modal(振動、騒音、画像)の関係を明らかにした。この成果により我が国自動車メーカーの快適性設計の考え方を世界に発信するとともに、研究結果の一部はISO委員会へ提供する予定である。

3. セルロースナノファイバー分散バイオエラストマー複合材料の創製と有機性揮発成分(VOCs)の生体影響評価
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工学部 生物化学工学科 教授 白石 浩平 

【要旨】

カーボンニュートラルなバイオプラスチックポリ乳酸、天然ゴムを自動車内装部品として使用するため、バイオ素材セルロースナノファイバーの調製と添加及び配合技術を開発した。複合材料は、成型加工性に優れ、内装部品に求められる耐熱・耐衝撃性・耐環境性を示す。さらに、内装部品として課題となるVOCsの特定と神経細胞等を用いた新規な生体安全性評価法を開発して、複合材の安全性を確認する活動が紹介した。抗菌性や環境分解性等の他の素材にない機能を付与する技術も開発し、市場競争力の向上を図った。

    
4. 金属材料のバウシンガー効果に関する最新研究
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工学部 機械工学科 准教授 上森 武

【要旨】

高張力鋼板のプレス成形で発生する成型不良を予測することは、開発設計コストの低減につながる。本研究では、塑性加工において生ずるバウシンガー効果と呼ばれる特性を考慮した高次降伏関数によるシミュレーションモデル(Yoshida-Uemoriモデル)を開発し、実際の加工における十分な解析精度を確認した。今回開発した手法は、他の有限要素法への適用、より複雑な部品作成工程の検討・有用性確認を行い、広く普及を目指す。

     
5. 直噴高圧ガス噴射弁を用いたエンジン内の水素噴流燃焼火炎計測
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工学部 機械工学科 教授 田端 道彦

【要旨】

本研究では、水素ロータリーエンジンの高効率化、低NOx化、ガソリンエンジンへの水素添加による省エネルギー燃焼化のため、新しい水素噴射技術を確立することを目的としている。このため、レーザシート2次元断面計測による直接噴射式高圧噴射インジェクタの水素噴流特性及び急速圧縮燃焼エンジンによる光速度撮影による火炎伝搬を測定した。これにより、水素(ガス)噴流の基礎的な混合や燃焼の知見を得た。

 
6. 変動風遭遇時の車に働く空気力特性
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工学部 機械工学科 教授 角田 勝

【要旨】

風速が大きく変動している環境下での車両走行について、風洞実験装置を用い3つの形状の自動車モデルで、車に働く抗力と揚力の過渡特性、定常風下との違い、車体周りの圧力の時間的変化を調べた。この研究により、定常風下での自動車モデルの路面長さ、取付高さの影響、モデル形状と抗力・揚力との関係、変動風下でのモデル形状と抗力・揚力との関係を解明し、風洞実験における基礎的データと変動風遭遇時の空力特性を解明した。

 

次世代基盤技術研究所見学会

    

本プロジェクトに係る研究装置・設備を見学いただくとともに、質疑応答や意見交換などを行い研究者と交流していただきました。

研究者写真
研究者写真
研究者写真

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