平成26年度
レポート

産業分野におけるグローバル人材育成講座

【実施期間】平成26年6月〜7月
【受講場所】近畿大学工学部・広島キャンパス

開講式

平成26年6月21日、今年度の「グローバル人材育成講座」開講式が行われました。

京極学部長から
「今年、グローバル人材育成プログラムは3回目を迎えます。近年、グローバル化は非常に大切なキーワードになってきています。学生の皆さんは就職すれば当然、様々なグローバル環境に関わらざるを得ない状況です。社会人の方はどうぞ学生たちを刺激していただけたらと思います。またこれをきっかけに新たな学びにつながっていくことを願います。」と挨拶。

湯崎県知事からもビデオメッセージが届きました。

「現在、本格的な少子高齢・人口減少社会の到来やグローバル化の進展など、社会経済状況が大きく変化する中で、新たな価値を創造する人材や海外市場の開拓に必要な人材などが求められているところです。広島県では、平成23年度から充実した教育環境を構築するため、複数の大学が産業界などと連携して行う新たな教育プログラムの開発や実施を支援しています。講義を通じてグローバルな視点を養うとともに、普段共に学ぶ機会の少ない様々な方とフィールドワークやディスカッションをしながら交流を進め、自己研鑽につなげていただきたいと思います。」


開講式終了後、第一回の講義が行われました。

(株)アクティブラーニング シニアレクチャラー 得能絵里子さんを講師に迎えて、三部に分けた講義となりました。

ワークショップ 世界の変化と求められる人材像

第一部 9:30~11:00

開口一番、
「さっそくですが自己紹介をさせてください!」
元気な声が教室中に響き渡り、下を向いていた受講生も、みんなハッとして前を向きます。
「私はアクティブラーニングという、教育の会社で働いています。アクティブラーニングとは一体何なのか。言葉の意味としては能動的思考という意味です。会社としては、能動的人材、組織の育成をしていこうということを目的としてやっています。脳を活性化させるためにも、今回は全員参加型の能動スタイルを採用します。私が解説して質問、そしてグループ内対話をします。」
受講生の顔を見渡しながら、ゆっくりと得能講師は話します。
「グローバルな人材とは?」…キーワードはイノベーション
「最近、何かの商品に触れてイノベーションを感じたことはありますか?」という問いかけに、「中国生産の電化製品が日本の店頭に並ぶこと」、「同じ商品を買うと、他の商品提案をしてくれるビッグデータ」など、各グループからいろいろな意見が上がります。
「分かりやすい例でいえば、パソコン。これまでは、より軽量化を、より処理能力を高く…など品質改良を行ってきました。これは既存の延長線上です。今はパソコンからキーボードを取りましょう。これがipadの誕生です。正にイノベーションです。」


日本の教育は既存の考え方を教えることは得意、
自分で考え、解決させる教育は苦手、
今日の正解も明日は不正解になってしまう時代です。
日本の教育や今の時代背景から、
「グローバル人材とは、既存の考えを変え、自分なりの正解を見つけられる人。」
「考える」とは?
人間の脳は問題発見(事象)→ データベースを検索(検索系)
問題発見(事象)→ データベース検索 → さらに新規考察(創造系)
まさに、創造系こそが大切です。


思考は正解が出れば満足してしまう受動思考と、それに創造を加えることができる能動思考の二つに分類できます。
会話を止めると思考も止まる、
会話を止めないためには、問いかけの技術が必要、
つまり、「なぜ」を繰り返しながら「新視点」を導いていくことが思考の展開へとつながります。


グローバルな人材とは
1. 新しい視点を導くことができる人
2. バックグラウンドの違う人と一緒に何かを作れる人
以上をまとめとして第一部は終了しました。

ディスカッション 留学生と課題議論

第二部 11:10~12:40

留学生4名を交えて行うグループ討議では、4グループ(各グループに1人留学生)が、各テーマに沿ってディスカッションを行いました。
今回、討議に参加してくれた留学生はTan Yung Tingさん(中国)、袁翠さん(中国)、Heng Boretさん(カンボジア)、LEE CHI JUNGさん(台湾)です。

Aチームは
「『敬語』を使う意義・意味とは何か。なぜ使う必要があるのか。」をテーマに、
文化的な違いをディスカッション。

Bチームは
「異文化コミュニケーションは必要だと思うか。」をテーマに、
どういうコミュニケーションが日本人に求められているかをディスカッション。

Cチームは
「電子マネーを使う意味とは何か。」をテーマに、
悪用される可能性があるが、なぜ使うのかをディスカッション。

Dチームは
「日本人の国民性と中国人の国民性の違い。」をテーマに、
仲良くなるための方法はどういうものか、また就職活動の方法などもディスカッション。


各グループ、留学生とのディスカッションに英語や日本語、身振りを交え積極的にコミュニケーションを図る姿が印象的。日本の文化や習慣についての説明に苦労している様子もうかがえる中、時折、笑い声なども聞こえ、大変良いムードで討議は進んでいき第二部は終了しました。

プレゼン 課題発表&フィードバック

第三部 13:30~15:00

昼食を挟み、第三部がスタート。
昼食時間も食堂では各グループ同士、講義内容の話で盛り上がっている様子です。


グループ発表では各グループで代表者を選出。

Cグループ 宮野さん
「グループ内のほとんどの皆さんが電子マネーは使わないという回答でした。企業の戦略感が否めなく、デメリットが多いという意見でした。その中で交通機関のものはよく使われているように思えました。もっと普及させるためには物理的施策が必要という話になりました。使わざるを得ない状況にすることです。例えば、もうこのカードがないと出入りできなくなる場所ができるとか…。」他グループからの質問も飛び交い、近畿大学の先生方からの鋭い質問や指摘もありました。各グループとも、「考えることを止めない」ことを実践し、様々な観点からの意見が出たようでした。
「どれが正しい、どれが間違っている、ということはありません。
自分の意見をきちんと述べることができる“能動的人材”の意識が高まった時間になったのではないでしょうか。」
得能講師が総論を述べ、第一回講義終了となりました。
受講生からは「グループディスカッションが多いのでよかった。」等ディスカッション形式の講義が好評で、能動的人材を意識するよい機会になったようです。