平成26年度
インタビュー

株式会社アクティブラーニング シニアレクチャラー
得能絵里子さん

今回の育成講座で最も伝えたかったこととは。

思考を止めないということです。人間はどうしても思考を止めてしまう癖があります。一つの回答を出すとそれに満足してしまうからなのです。でもその先に何があるのかを考えることが大事。ですから私自身、常日頃から心掛けていることが二つあります。まず、思考が止まりそうになると、絶対に人と話すようにしています。そうすると、必ず違う視点の意見が出てきます。そうすると、自分が予期していないところまで、思考が展開していくのです。“思考への刺激”ですね。もしも、私の意見に対して“良いね”という一言しかもらえなかったとしたら、“どこが良いと思ったの?”“あなたはどう思うの?”などと聞き返し、思考を止めないようにします。思考を止めなければ、必ず新しい思考が展開します。
二つ目は環境を変えることです。同じオフィスで同じ仕事をしていると思考停止になりがちです。人間は結局、これまでの経験からインプットされたデータベースを引き出してくるので、別の刺激がないと思考は発展しません。
例えば、今日、私は広島に来させていただいて、自らのインプット量がまた増えました。いろんな方とお会いし、様々なカルチャーを知り、インプット量を増やすことで思考も柔軟になります。

なるほど。創造力は大切であり、必要ということですね。

これはグローバルだからというわけではなく、これから働くどんなジャンルでも共通です。思考を止めずに新しいことを生み出していかなくては。今はあらゆる業界で黒船を恐れる時代です。異業種から、国内外から、時間も距離も超えて、新しい物が生み出される時代です。それに飲み込まれないよう、思考を止めずに一歩先を考え、また一歩先を考え…と。そうしなければ生き残 っていけないということです。

講義では様々なイノベーション例を出されました。
受講生も関心が高かったように思えます。
得能さん自身、今、注目しているイノベーションとは何ですか。

ビッグデータの活用法です。今のネットショッピングでは、私達自身が検索して商品を購入していますよね。でも最近は購入商品に類似したものが画面の下に出てきて、薦めてくれることもあります。
今後はもっと進化していき、我々がただ生活しているだけで蓄積されるデータをどこからか集め、こちらから検索を全くかけなくても勝手に推奨品を提案してくる時代なのかなと。例えば、ベッドにWi-Fiがつながっていたら、勝手に睡眠時間などを計算して、“あなたは熟睡できていませんね。枕を買い替えてみませんか”などと、こちら側が把握していないことですらデータから判断できる時代に。つまり、あらゆるものがデータにつながっていく時代、そのデータを持っているだけで企業側の提案も変わってくるのでは。問題点も数多くはらんでいますが、私はそういった世界を見てみたいなと思います。そして、ここからもっと加速していき、今は無機質な感じの提案ですが、この先は心地良い提案が起きてくるのかなと。あるときは友達、親みたいな口調で話しかけてくることもあったりするのでは…(笑)。

最後に受講生にメッセージを。

今回は工学部の学生さんが多かったので…日本のものづくりのことを例に出します。日本のものづくりは非常に高い技術を持っています。ただ、日本人は世界にその技術を上手く伝えることができていません。そのため、日本のものづくりは世界で認められていないのです。もしくは日本人は既存の延長線上のものづくりは得意ですが、その先を考える力はまだまだ、ということです。受講生の方に願うことは、社会に出て(社会人の方はもちろん)、初めは既存のビジネスの延長線上にある問題をクリアすることに尽力すれば良いですが、どこかのタイミングで既存を乗り越えるビジネス方法を考える人が出てきてくれたらと。日本人にはその資質があると思っています。今からでも遅くないと思うので、日々一歩先を進んで考えることを意識していただけたら嬉しいです。