平成25年度
インタビュー

講師 大河原 民夫さん((株)パソナ グローバル事業部)

昨年度に続き、第二回目となる育成講座ですがいかがでしたか。

「グローバル人材育成講座は、大変意義のある良いプログラムだと思います。受講後、専門的なスキルが身に付くわけではないのですが、この講義でヒントを得て、スタートラインに立って頂くことが目的だと思っています。まだ多くの学生がスタートラインにも立っていないので、講義で感じたことを参考に、奮起されることを願っています。さらに言えば、本日の留学生との討議のような実践的なカリキュラムが増えると、より複合的な効果が期待できると思います。」

この講義を通して、最も伝えたかったことは。

「日本人としてのベースがあってこそ、異文化(グローバル化)に対応できるという点です。言語ができる・できない、ではなく、コア(核)となるスキル、人格があってこそ、また、日本文化を背景に持っているからこそ、外国の文化を受け入れられるのです」

コア(核)の資質を高めるためには。

「資質を高めるためには、日常から異なるものと接点をもつことです。学生でしたらまわりに外国からの留学生がいるわけですから、そういう方とコミュニケーションをもてますよね。日常から『学び』は沢山あります。多くの人が、日常から得られるヒントを見過ごしているように思います。アンテナを張り、ヒントを自分のものにするには、同性、同年代、同組織の中だけで過ごさないことです。私自身できるだけ男女問わず若い世代と話すようにしています。IT等新しい技術に詳しいですし、何より未来を語ってくれます。50代以上からでは思いつかないヒントを若い世代との日常会話の中から頂いています。シニア世代は自身の成功体験をお話しになりますが、社会環境の変化のスピードが速いので、その成功談が、そのまま今後に活きる参考例とならないこともあるのではないでしょうか。ビジネスパーソンも、あらゆることを題材に、日々学習だと思います。」

受講生の多くがグローバル = 言語習得だと思っていたようですが。

「当然必要なことですが、十分条件ではないと思います。一定の語学力を前提として、個人として発信する強いメッセージを持つことが大事です。それは個性、礼儀、人格、教養、見識、専門性、趣味、嗜好を総合したものと考えています。日本人の弱いところは組織の力とチームプレーに頼り過ぎ、個人の発信が弱い点でしょう。個人として発信するものがないと国際舞台で信頼されません。グローバル社会では、「言語が流暢に話せるから」や「有名な会社・団体に所属しているから」等で信頼されるわけではないのです。フラットな人間関係で相手から尊敬され、信頼されることが大切です。私はそういう例を数多く見てきました。そして、語学をはじめとする新しい分野を志すとき、“XX歳だからもう遅い”、という批判には耳を貸さないことです。最初も最後もやる気の問題だと思います。」

最後に受講生にメッセージを。

「講義の最後に宗教の質問がありましたが、取引先、赴任する国は尊重し、軽んじてはいけません。現地の習慣を良い、悪いと考える前に、尊重し、受け入れることが大前提です。また、日本の礼儀、歴史、伝統、文化等の素晴らしさを自覚することも大切です。傲慢であってはいけませんが、卑下、過小評価してはいけません。無知であることはさらによくないですね。自国に無知で、自尊心のない人がグローバルに活躍することは難しいと思います。確たるベースや自信のない人は相手にされません。ゆえに個の資質を高めていかないとダメなのです。このことを参考に、若い世代の皆さんがグローバル対応力を培ってゆかれることを心から願っています。」